正反対恋愛

ある1日

「はぁ～？！ちょっ、意味分かんないですけどっ？！」
「意味わかんねぇのはこっちだ、アホ。何が意味分かんねぇかもう少し上手く説明できねぇのかよ」
「それはそっちの理解力が足りないだけなんですぅ！」
「うわ、うっざ。まじ知らんし、俺の理解力がなんとかって」
よし、私はこの2人の喧嘩を見ている周りの、
あたたかぁい心の声を代わりに言うとしよう。

(はよ付き合えや)

これしかないって。
ん？私が誰かって？
私の名前は一之瀬　朱乃。生徒会副会長だよ！
そして目の前で喧嘩してるのは、
女の子が橘　弓弦。男の子が桐生　千鶴。
ゆづが生徒会書記でちづが生徒会長でーす。
実はこの2人、両片想いなんです。
でもね、2人とも気づいてないの！
こっちは歯痒いったらありゃしない。
「あんりゃー、まぁた2人共喧嘩してんのー？」
そう言ってムギューとまた一段と強く、私のことを抱きしめてくるのは、生徒会会計の真宙。あだ名はそらびと。
こんなよくわからんあだ名してますが、だけど一応私の彼氏です。
「そらびと離れろー！」
ぐぬぬと踏ん張ってみるが、力では彼に敵わない。
それどころかそらびとは、
「はっはっはー！この俺を引き剥がすことがしゅーにできるかな？」
なんて、調子漕いている。
ちなみにしゅーは私のあだ名。