正反対恋愛

ダブルデート

「ん〜、ここかぁ?」
やはり途中までの道のりで、ぶーぶー嫌だ嫌だとそらびとは駄々をこねていた。
でも私に近づくと落ち着き、そらびとをあやすので必死だったゆづ&ちづは後ろで喧嘩を始めている。
私はそれをガン無視して福引会場らしいところを眺めた。
「ここよ〜」
「はいはいありがとねー、まひちゃん」
ぽんぽんっと軽く頭を撫でる。
「お?あんたらも福引、引くかい?」
「うん、お願ーい」
会場のおばちゃに声をかけられ、ゆづちづの後ろにサッと回って前の方にグイグイ押してった。
「あっ!私先やるー!」
「やるのは真宙と朱乃だぞ?お前は本物の馬鹿なのか。」
「馬鹿じゃないんですがっ!?」
馬鹿ってのは余計だけど、ちづの言う通りなんだよね。
「おばちゃん、はい、券。」
「はいよ、1回回しな」
ガラポンの取手をゆっくりと回す。最初は少し重いけど、取手が上の方に行けばその重さは軽減される。
ぽんっと出てきたのが、
カランカランカランッ!!
「おめでとう!1等賞だ!これで1等賞はあと1つだね」
「あと1つ?」
「あぁ。1等賞のこの券なんだけど、遊園地のペアチケットなんだ。それを2枚くれてね。」
「なるほど!」
これは、、、ゆづとちづに使わせよ〜♪
「しゅーおめでとう!」
いつの間にやら回復したそらびと。
犬耳が、見えるような、見えないような。
「次は俺だなっ!」
「あんたも1回だね。引きな」
ゴクンと、固唾を飲む音が聞こえた。
ガラガラガラ。
出てきたのが、、、?
カランカランカラン!!
「おめでとう!あんたも1等賞か!」
「ぇ、うぇぇ!?そらびとも1等賞っ?」
「やった!やった!これでしゅーとデート!」
そらびとは見えない尻尾をぶんぶんに振ってる。
一方の私とちづは口をあんぐり開けていた。
こうして、ダブルデート(?)が決まったのだった。
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