サヨナラじゃない
1章〜アラレと変化〜

〚歩道橋〛

今日は遅い時間までの屋上での放置。
ほんと憂鬱でしかなかった。
ふらふらと疲れで揺れる身体。
ちゃんとこの歩道橋の階段を登れているか不思議なほど、自分の足取りがどうなっているか感じられない。
階段を登るのだけで、身体の負担が
かなーりヤバい。キツイ。
ふと外界を見渡す。
赤青黄緑、色とりどりに「私を見て」「私だけを見て」と、醜く光っている。
まるで私の周りの人達のようだけど、
「綺麗、だな……」
それ以外に言葉が出なかった。
その光景は迎えにきたとでもいうように、私を誘っている。
こんな綺麗な光景に包まれて死ぬのも、
「いいかも知れない、」
私はぽつりと呟いた。
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