サヨナラじゃない
〚月〛
人気のない歩道橋で、誰かにこの行為を止められないよう周りを見渡す。
念には念を、ってね。
確認を終えると私は、真っ直ぐに伸びた、錆びた手すりの上でしゃがんだ。
下の整備されたコンクリートの上を、何も知らない車は颯爽と通り過ぎていく。
どうせ私は痛みを感じて死ぬんだ。
車に引かれるのはそう怖くない。
そして私は前屈みになると、
手すりから手を滑らせた。
地をバックにして、この状況に身を任せる。当たる風のおかげで頬がビリビリと痛みを感じる。喉がヒュッと鳴る。
スカートが逆さまとなる。
私の視界に映るのは、
たった1つ。大きな月。
その月は、偉大な王者感を放っている。
美しすぎて私は見惚れた。
最期にこんな綺麗な月を観ることができてよかった。
そう思っていると、
バキバキバキッ
「は、?」
念には念を、ってね。
確認を終えると私は、真っ直ぐに伸びた、錆びた手すりの上でしゃがんだ。
下の整備されたコンクリートの上を、何も知らない車は颯爽と通り過ぎていく。
どうせ私は痛みを感じて死ぬんだ。
車に引かれるのはそう怖くない。
そして私は前屈みになると、
手すりから手を滑らせた。
地をバックにして、この状況に身を任せる。当たる風のおかげで頬がビリビリと痛みを感じる。喉がヒュッと鳴る。
スカートが逆さまとなる。
私の視界に映るのは、
たった1つ。大きな月。
その月は、偉大な王者感を放っている。
美しすぎて私は見惚れた。
最期にこんな綺麗な月を観ることができてよかった。
そう思っていると、
バキバキバキッ
「は、?」