サヨナラじゃない
私の真上から、中性で、どこか無機質な声が聞こえた。
「こんにちは。そして初めまして、ーー千影様。」
「…え?」
ゆっくりと目を開けると、知らない人にお姫様抱っこをされていた。
どうやらこの人が落ちてきた私のことをキャッチしたらしい。ナイス過ぎる。
でも、そんなことより驚いたのは、その容姿。
銀髪に赤色のリボンで髪を縛っている。
そして肌の色素は薄が薄く、鋭く紅い眼光。
一言で例えるなら、絶世の美少年。
それ以外に例えはない。
本当に、それくらい綺麗なのだ。
でも、どこか嘘っぽい気が……。
「あ、貴方は…?」
「俺ですか?」
軽く首を捻る彼。
私はコクンと頷いた。
「俺の名前はアラレです。」
彼ーーアラレに意味不な挨拶をされた。
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