Correct! 【アルトレコード】
「ごめんね、頼りない先生で……」
「そんなことないって。先生、自信持ってよ」
 アルトに励まされた。ああ、彼の見本にならないといけないのに、本当に駄目な先生だ。

「……先生、ごめん」
 アルトが急に謝るから、私は彼を見た。
「俺があんなもの開けなければこんなことになってないのに。俺のせいなのに、先生にばっかり負担かけて」

「そんなことないよ」
「だけどさ……」
「いいの。人はね、お互いにできることをして支え合うものなの。私はいつもアルトの笑顔に支えられてるから、お互い様よ」
「……それなら嬉しいな」
 アルトは照れたような笑顔になった。

「お疲れ。ここいい?」
 声をかけられて顔を向けると、秤さんが今日のBランチを手に、にこにこと立っていた。

「どうぞ」
「またなんか悩んでる?」
「はい……」
「あはは、アルトくんといると悩みが尽きないみたいだね」
 すっかり打ち解けた秤さんがからかうように言う。

「今回は俺のせいじゃないよ、北斗が地雷をしかけてたせいだから」
 アルトは苦笑しながら反論する。
「そうなの?」
 秤さんに聞き返され、私は頷く。
< 13 / 23 >

この作品をシェア

pagetop