誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「本気だって、言った。」

言葉のひとつひとつが、体温を持って胸の奥へと沈んでくる。

「隼人さん……」

思わず名前を呼んだその唇を、彼はそっと指でなぞった。

「遊びじゃないんだ。紗英も、俺に本気になれ。」

胸が高鳴る。

抑え込んでいた想いが、一気に溢れそうになる。

私は彼を、強く抱きしめた。

触れ合った肌の熱が、互いの鼓動を伝えてくる。

「誰がなんと言おうと、紗英も守る。」

「うん……」

「もう誰も抱かない。紗英だけにこの欲情を与える。」

言葉の意味よりも、彼の想いの強さに打たれていた。

次の瞬間、唇が重なり、息が混じる。

激しいキス。

熱く、深く、貪るように。

まるで、想いの全てを口づけに注ぎ込むようだった。

何度も何度も唇を重ね、舌が絡まり、息が乱れていく。
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