誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「……紗英……」

名前を呼ばれるたび、身体が甘く震える。

手が、背中をなぞり、腰を引き寄せられる。

全身で彼の熱を受け止める。

まるで、ひとつになろうとするように――

言葉ではない証。

彼の体温と、想いのすべてが、私を包み込んでいく。

この夜、私は確かに、彼に愛されていた。

それは単なる欲望ではなく――

心ごと抱かれているのだと、全身で感じていた。

朝になっても、隼人さんの欲情は収まらなかった。

「紗英、愛している。」

重ねられる唇は、夜の熱をまだ宿していた。

何度も触れたはずの肌なのに、まるで初めてのように、触れるたびに熱を孕む。

胸も、背中も、太ももも、どこを撫でられても彼の体温が染み込んでくる。

「もう、朝ですよ……」

そう言ったけれど、声は震えていた。

肌が、息が、鼓動が、また彼を求めていた。
< 142 / 291 >

この作品をシェア

pagetop