誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
欲望よりも、もっと深い、情がそこにあった。

「続きは、ベッドで。」

彼に抱き上げられながら、私は胸の奥で囁いた。

――この人と、今夜また一つになれることが、何より嬉しい。

バスタオルで体を拭き終えた頃には、互いに言葉はいらなかった。

無言のまま、視線を交わし、そしてそのまま、ふたりでベッドに転がり込む。

濡れた髪が枕に触れて、ひんやりとした感触に小さく肩をすくめた。

すぐそばで隼人さんが腕を伸ばし、私の腰を抱き寄せる。

「この二日間で、だいぶ君を知った。」

「そうですか?」

声は控えめなのに、彼の目はまっすぐ私を見ていた。

その視線に、鼓動が高鳴る。

「優しい君、肉付きのいい君、料理上手な君。」

そして唇が、首筋にそっと触れる。

濡れた髪をかき分けるようにして、吐息が柔らかく肌を撫でた。
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