誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「今日の君、柔らかくて、温かい……」

唇が、濡れた首筋にそっと触れた。

熱い吐息と共に落とされる口づけに、背筋がぴくりと震える。

「こんな風に触れるたび、もっと知りたくなるんだ。」

彼の手が、湯の中で私の指に絡みついたかと思えば、ゆっくりと腕をたどって腰へ。

水音が、心の鼓動と重なるように小さく波紋を描く。

「隼人さん……」

湯気に包まれた視界の中で、彼の瞳だけがはっきりと私を映していた。

優しさの奥にある、確かな欲情。

それが怖いのではなく、嬉しいと思える自分がいる。

「お風呂、あったかいですね。」

そう呟いた私に、隼人さんはふと微笑んだ。

「いや……俺はもう、湯より君に火照ってる。」

そっと唇を重ねてきた。

何度も重なり合うキス。

それはまるで、互いを確かめるようで――
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