誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
上林さんのいたずらっぽい誘いに、私は心の中で『やめてください!』と絶叫する。

「いいですね。俺も、上林さんと飲みたいと思ってましたし。」

さらっと言ってのける桐生部長。

「まあ。そんなこと言って、今日はこの子の照れ顔が見たいだけなんじゃないの?」

「そんなことないですよ。二人とも可愛いなって思ってます。」

――もう、顔から火が出そう。

「じゃあ決まりね。行きつけのお店、予約しとくわ。」

そう言って、上林さんはさっさとスマホを取り出して店に電話をかけ始めた。

その間、桐生部長は私にだけ聞こえるような声で囁いた。

「もっと、俺のこと知りたいんだって?」

瞳が挑発するように細められ、私の心臓が跳ね上がる。

(この人、仕事中と全然違う……)

今日の夜が、怖いようで、楽しみで――

私は自分の頬が熱くなっていくのを止められなかった。
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