誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「お疲れ様でーす」

堂々と入っていく上林さん。

営業部の誰とも知り合いのように、自然に溶け込んでいく。

(え……なんでこんなに馴染んでるの!?)

慌ててその背後に隠れた私は、きょろきょろと辺りを見渡す。すると――

「あれ?上林さん。」

奥から現れたのは、スーツ姿のままでもやっぱり目立つ、桐生部長・隼人さんだった。

「あっ……」思わず顔を伏せた。

「っと……篠原さん?」

まっすぐにこちらを見つけて、目を細める。

「お、お疲れ様です!」

私は上林さんの肩越しに、なんとか声を出した。

「桐生部長、あなたのこと、もっと知りたいって子がいてね。」

突然の上林さんの言葉に、私は思わず隣でシュッと睨みを送る。

「それは……いいことだ。」

まさかの乗り気な桐生部長に、今度は息が詰まる。

「このあと、3人で飲みに行かない?」
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