誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
(まだ連絡取り合ってるんだ……)

少しだけ胸がざわつく。

嫉妬……というより、妙な胸騒ぎだった。

だって、私の知っている美羽さんは、冗談でも過去のことを口にするタイプじゃない。

――ちょっとだけ、見るだけなら。

罪悪感を押し込めて、指先が画面に触れた。

開いたメールの文面に、目を疑った。

「先日は熱い夜をありがとう。
また恋人に戻ったみたいで嬉しかった。」

――え?

頭が真っ白になった。

鼓動が早くなる。

(嘘……なにこれ……?)

まるで氷水を浴びたように全身が冷たくなる。

「……なんで……」

私と付き合ってるんじゃなかったの?

一条さんの時、あんなに怒ったじゃない。

それなのに……どうして。

シャワーの音が止まった。

バスルームのドアが開く気配。
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