誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
私はとっさにスマホを元の位置に戻し、布団の中に潜り込んだ。

(何事もなかった顔なんて、できないよ……)

涙がこぼれるのを、どうにか堪えた。

「紗英?」

バスタオルで髪を拭く隼人さんが、私の元へやってくる。

「どうした?腹でも痛いのか?」

もう、我慢できなかった。

私は布団から飛び出して、真正面から彼を見据えた。

「浮気してるでしょ。」

「はあ?」

隼人さんがベッドの端に腰を下ろす。その顔に、動揺は見えなかった。

「美羽さんから、メール届いていた。」

「美羽?」

一瞬だけ、彼の眉がわずかに動いた。

「“熱い夜”って何?“恋人に戻った”って何のこと?」

私の声が震える。

「美羽さんと付き合ってるの?」

「そんなわけないだろ。」
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