誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「でも俺、ちゃんと見てるよ。紗英が、どれだけ無理してるか。」

その言葉に、涙がまた溢れてくる。

「こんな時に……ごめんなさい……」

「謝らなくていい。」

ふわっと、背中に温もりが触れた。振り返ると、

すぐ目の前に一条さんの顔があった。

「……そんなに、我慢しなくていいんだよ。」

私の肩に手を添えて、彼は真剣なまなざしを向けた。

「つらい時は、俺を頼っていい。……ずっと、そう言いたかった。」

私は、泣きながらうなずいた。

一条さんはそれから私にご飯を食べさせてくれると、手を繋いで街を歩いてくれた。

「ああ、ネオンが素敵だね。」

わざと楽しい話をしてくれる。

すると目の前にホテル街が見えてきた。

「入ろうか。」

私が言うと一条さんは立ち止まった。
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