誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「……桐生部長に、怒られるよ?」

「もう……別れるから、いいの。」

その言葉を聞いた瞬間、一条さんは私を抱きしめる腕に少し力を込め、まっすぐに唇を重ねてきた。

そのキスは、やさしさと情熱が入り混じっていて、思わず目を閉じた。

「じゃあ――次の彼氏に、予約しておくね。」

彼の冗談めいた声に、小さく笑ってしまう。

そのあと彼もシャワーを浴びに行き、私はベッドに戻った。

そこに置かれたスマートフォンが震える。

画面には――隼人さんの名前。

鳴り続けるバイブレーション。

けれど、私は画面を伏せた。

今は――何も考えたくない。ただ、このぬくもりに身を委ねていたかった。

シーツに包まれたまま、一条さんがベッドに戻ってくる。

濡れた髪が額にかかっていて、湯気のような熱がまだ身体から立ち上っているようだった。


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