誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
桐生部長の家の、温かいベッドの中。

私はその腕の中で、静かに眠ろうとしていた。だけど、彼は真剣な声で口を開いた。

「今度、俺……独立するんだ。」

「えっ?」

「会社を辞めて、自分の力で新しい会社を興す。今のままじゃ、おまえを守れない気がしてさ。」

その言葉に、胸がきゅっと締めつけられる。

「私……にできること、ありますか?」

彼は少し笑って、私を強く抱きしめた。

「あるよ。紗英には経理をお願いしたい。信頼できるのは、おまえだけだ。」

「私に……?」

「俺に、ついてきてくれ。どこへでも連れて行く。……必ず幸せにする。」

その声に、迷いはなかった。

そして――

「結婚してくれ。」

私は、返事の代わりに彼の胸にぎゅっと抱きついた。

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