誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「家の隣の敷地が空いている。そこに家を建てればいい。」

お父さんの声も、どこか誇らしげだった。

「はい……!」

この町に、帰ってくるんだ。

私の大切な人と、新しい人生を始めるために。

「仕事はどうするの?」

ふと現実に戻った私は、心配になって聞いた。

でも隼人さんは、優しく、そして少しやんちゃな笑みを浮かべて答えた。

「この町相手に広告を打とう。観光地でもあるし、PRの需要は必ずある。」

――そう言って、私の頭を撫でてくれるその手に、未来への頼もしさを感じた。

「よろしくな、婿殿。」

不器用な笑みを浮かべて、父が酒を注いでくれた。

「はい、宜しくお願い致します。」

隼人さんは真っ直ぐに頭を下げ、その姿に胸が熱くなった。

私の大切な人が、こうして家族に迎え入れられる日が来るなんて――夢のようだった。
< 277 / 291 >

この作品をシェア

pagetop