誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
その日、私たちは式場の近くにある高層ホテルに泊まった。部屋に入ると、ガラス張りの大きな窓から煌めく夜景が見渡せた。

「素敵……」

私はワンピースに着替え、カーテンを開けて窓辺に立った。すると、背後から隼人さんがそっと抱きしめてくれる。

「素敵なのは、紗英の方だよ。」

耳元で囁かれ、思わず笑ってしまった。

「まだプレイボーイが抜けてないですよ。」

「おいおい、それは結婚式を終えた旦那に言う言葉か?」

隼人さんも笑っている。こんな風に、肩を寄せ合って笑い合える未来が、本当にやってきたんだ。

「でも……嬉しいです。隼人さんと、こうしていられて。」

「俺も。今日の誓いは、冗談でも勢いでもない。本気だよ。」

抱きしめる腕に力がこもる。その温もりに、私もそっと背中を預けた。

「ずっと……一緒にいようね。」

「うん。何があっても、ずっと。」

夜景のきらめきと、静かに重なる鼓動。今夜が、永遠の始まりだった。
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