誰にでも優しいくせに、私だけに本気なんてズルい– 遊び人エリートのくせに、溺愛が止まらない –
「だったら……」

瑞樹ちゃんは突然、桐生部長の腕を強く引き、トイレの個室の方へ押し込もうとした。

「部長……今、私を抱いてください」

その声は震えていた。けれどどこか、決意めいていた。

「瑞樹ちゃん、それは……」

桐生部長の声が低くなる。だが、それは拒絶の響きを孕んでいた。

「部長、溜まってるんでしょう? わかってますよ、女の子のこと、ずっと抱いてないんでしょ……?」

個室の扉が、静かに閉じられる。

ひとつだけ響いた鍵の音に、外の気配が切り離された。

瑞樹の指先が、ゆっくりと部長の胸元に触れる。

ネクタイを緩め、シャツのボタンを一つずつほどいていくたびに、

部長の喉がわずかに鳴った。

「……部長、我慢しないで……いいんですよ?」

瑞樹の囁きに、桐生部長は一度だけ目を閉じた。
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