エンドロールは救いの詩を
そして俺とルミが乗った車は現場となる山へ到着した。
そこにはキュースレーやレスキュー隊員が救護活動で慌ただしく動いていた。
ルミは車から降りながら無線機のマイクを口元に近づける。
「ナナ!ナナ!聞こえる!?」
焦ったように叫ぶルミ。
「それナナに繋がってるのか!?」
「はい。今個人番号の方で呼びかけてるんですけど、返事がなくて...ナナ!もし声が出せるならどういう状況か教えて!」
返事はない。
俺の心臓が大きく脈打つ。
「ナナ!...もう行くしかないか...」
ルミが無線機の通話ボタンから手を離す前に俺も声を出す。
「ナナ!聞こえるか!」
やっぱり声は返ってこない。
ルミは救護バックを肩にかけた。
「私は行きます。リクさんは絶対ここにいて下さい」
「いや、俺も行く」
「部外者を連れて行くわけにはいかないって言ったでしょ!」
「でも...!」
俺が反論しようとしたその時だった。

ザザッー

ルミが持っている無線機から音がなった。
「ナナ!?聞こえる!?」
ルミは急いで無線機に向かって話しかける。
「ナナ!」
俺もナナに呼びかける。
そして少しの沈黙の後、その声は聞こえた。

『......たす......けて......』

小さく聞こえたナナの声。

「ナナ、今何処に...って、リクさん!?」

ルミの声が後ろから聞こえた気がした。
でもそんな声はすぐに聞こえなくなった。
俺の心にあるのは、さっき聞こえたナナの声だけ。

俺は走り出した。
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