エンドロールは救いの詩を
ナナside
痛い。
どれくらいの時間、ここに横たわっているのだろう。
足を踏み外して転落したコトは覚えている。
幸い、頭が地面に激突するコトはなかった為、意識は保っている。
私は川が流れる音を聞くコトと、青く澄んだ空を見るコトしかできなかった。
綺麗な空だな...なんて思っていた。
私は視界の片隅にある無線機を見る。
さっきルミちゃんの声が届いた。
その後に聞こえてきたのはリクさんの声だった。
どうしてリクさんが居るんだろう。
それは分からなかった。
なんとか動かせた手で、一言声を出した。
あの声は届いたのだろうか。
その後も何度かルミちゃんが話しかけてくれているが、身体が動かない私は無線機に再び触れるコトは出来なかった。
私達キュースレーはどんな病気や怪我も治せる。
でも人の死亡率は0ではない。
それは私達は死者を甦らせるコトが出来る神ではないからだ。
細胞が1つでも生きていたら治せる。
でも完全に息の根が止まってしまった人は、私達でも治すコトが出来ない。
だからキュースレーが現場に到着した時点で死んでしまっていた場合は手の施しようがない。
救難信号を出すコトが出来ず、時間が経過した人は死んでしまう。
私もこのまま誰にも見つけてもらえなかったら、いずれ死ぬのだろう。
嫌だな...と思った。
やりたいコトが沢山ある。
ルミちゃんや友達と色々な所に行きたい。
可愛い服だって着たい。
楽しみにしてるゲームや漫画もある。
全部、全部やりたい。
それと、やっと気づけたあの想い。
今も心にある想い。
やっと、気づけたのにな...。
もうこのまま何も出来ずに終わっちゃうのかな...。
私は瞳を閉じる。
そして瞳から流れる一雫。
...こんなコトになるなら伝えたかったな...。
そんなコトを思った時だった。
「ナナ!」
大きく呼ばれた私の名前。
瞳を開けると、太陽の光に照らされながら上から飛び降りてくる人が居た。
まるでヒーローみたいに駆けつけてくれた人。
それは私の愛しい人だった。
「...リク...さん...な...んで...」
リクさんは満面の笑みで私を見る。
「助けてって言った時は俺が絶対助けますって言ったじゃないですか」
笑顔のままでそう告げるリクさん。
私を助けに来てくれた。
それが何よりも嬉しかった。
リクさんは右手で私の頬に触れ、左手で救難信号のスイッチを押した。
「大丈夫。俺が居るから」
身体も動かず、このまま一人で死ぬのかもしれないと本気で思っていた。
でもリクさんが来てくれた。
不安だった心は安心感でいっぱいになる。
リクさんが触れてくれた頬から温かさが伝わる。
「痛い所あるか?もっと見つけやすい場所に移動した方が良いのか...?」
リクさんはそう言いながら、どうしたら良いのか考える。
私はか細い声で答える。
「ここにいれば...大丈夫...。私たちは...救難...信号が...あれば...絶対...助ける...」
私の声を聞いてリクさんは優しい顔になった。
「流石ヒーローですね」
ヒーローは貴方じゃないですか。
そう伝えたかったけど、私の声はもう出なかった。
そんな話をしていると私達の下に近づいてくる足音が聞こえた。
「ナナ!」
大きな声で私の名を呼んだのはルミちゃんだった。
「頼む!」
リクさんはそう言いながら私の傍を離れる。
そしてルミちゃんが私に駆け寄り、すぐに治療を始めた。
「もう大丈夫だからね」
痛みが引いていく。
私はゆっくり息を吐く。
「...ありがとう、ルミちゃん」
「本当に良かった...」
そう言いながらルミちゃんは私の身体から手を離す。
傷や痛みは無くなっていた。
ルミちゃんに笑顔を向ける。
私の笑顔を見たルミちゃんは安心した顔をした。
そして近くに居るレスキュー隊員の方を見る。
「治療はこれで大丈夫です。彼女を安全な場所までお願いします。それと...」
そう言いながらルミちゃんは、リクさんの方を見た。
「リクさんも一緒に山を降りてください!ナナの声聞いてすぐ飛び出していって...何考えてるんですか!」
...え?今、なんて...。
「はいはい、すみませんでしたー」
「何にも反省してないでしょ!リクさんまで怪我したらどうする気だったんですか!」
「まぁ、その時はその時で...」
「もう!今からはレスキュー隊員の指示に従ってくださいね!私は救命に戻ります!」
「ありがとな」
「...こちらこそナナを見つけてくれてありがとうございました」
ルミちゃんは怒りながらも、最後は優しい顔をしてお礼を告げた。
「ナナ、私はもう行くね。身体、安静にしてね」
「うん。本当にありがとう」
ルミちゃんともう一人のレスキュー隊員は山の奥へ移動していく。
「僕たちも行きましょう」
私達と一緒に山を降りるレスキュー隊員がそう告げる。
「はい」
「はーい」
私とリクさんがそう答える。
「僕が運ぶので、どうぞ」
そう言ってレスキュー隊員はしゃがんで私に乗るように促す。
「あ、ありがとうございます」
そう言ってレスキュー隊員の背中に乗ろうとした時だった。
私の手をリクさんが掴む。
「えっ...」
「あ、いや、その...俺が運びます...。俺体力あり余ってるし...」
「えっ!?あの、それは...」
リクさんのまさかの提案。私があたふたしているのを見て、レスキュー隊員はクスッと笑った。
「ここは本業に任せてください。山を安全に降りた後はお願いしますから」
レスキュー隊員の言葉に、リクさんは恥ずかしそうにそっぽを向いた。
「...すみません、お願いします」
そして私はレスキュー隊員におんぶされ、山を降りていく。
レスキュー隊員の背中に乗りながら、私はリクさんの方を見る。
私の視線に気づいたリクさんはニコッと笑った。
私は恥ずかしくなり、顔を埋めた。
心臓が大きく脈打つ。
その鼓動は私が生きているコトと、リクさんを好きだというコトを強く感じさせた。
痛い。
どれくらいの時間、ここに横たわっているのだろう。
足を踏み外して転落したコトは覚えている。
幸い、頭が地面に激突するコトはなかった為、意識は保っている。
私は川が流れる音を聞くコトと、青く澄んだ空を見るコトしかできなかった。
綺麗な空だな...なんて思っていた。
私は視界の片隅にある無線機を見る。
さっきルミちゃんの声が届いた。
その後に聞こえてきたのはリクさんの声だった。
どうしてリクさんが居るんだろう。
それは分からなかった。
なんとか動かせた手で、一言声を出した。
あの声は届いたのだろうか。
その後も何度かルミちゃんが話しかけてくれているが、身体が動かない私は無線機に再び触れるコトは出来なかった。
私達キュースレーはどんな病気や怪我も治せる。
でも人の死亡率は0ではない。
それは私達は死者を甦らせるコトが出来る神ではないからだ。
細胞が1つでも生きていたら治せる。
でも完全に息の根が止まってしまった人は、私達でも治すコトが出来ない。
だからキュースレーが現場に到着した時点で死んでしまっていた場合は手の施しようがない。
救難信号を出すコトが出来ず、時間が経過した人は死んでしまう。
私もこのまま誰にも見つけてもらえなかったら、いずれ死ぬのだろう。
嫌だな...と思った。
やりたいコトが沢山ある。
ルミちゃんや友達と色々な所に行きたい。
可愛い服だって着たい。
楽しみにしてるゲームや漫画もある。
全部、全部やりたい。
それと、やっと気づけたあの想い。
今も心にある想い。
やっと、気づけたのにな...。
もうこのまま何も出来ずに終わっちゃうのかな...。
私は瞳を閉じる。
そして瞳から流れる一雫。
...こんなコトになるなら伝えたかったな...。
そんなコトを思った時だった。
「ナナ!」
大きく呼ばれた私の名前。
瞳を開けると、太陽の光に照らされながら上から飛び降りてくる人が居た。
まるでヒーローみたいに駆けつけてくれた人。
それは私の愛しい人だった。
「...リク...さん...な...んで...」
リクさんは満面の笑みで私を見る。
「助けてって言った時は俺が絶対助けますって言ったじゃないですか」
笑顔のままでそう告げるリクさん。
私を助けに来てくれた。
それが何よりも嬉しかった。
リクさんは右手で私の頬に触れ、左手で救難信号のスイッチを押した。
「大丈夫。俺が居るから」
身体も動かず、このまま一人で死ぬのかもしれないと本気で思っていた。
でもリクさんが来てくれた。
不安だった心は安心感でいっぱいになる。
リクさんが触れてくれた頬から温かさが伝わる。
「痛い所あるか?もっと見つけやすい場所に移動した方が良いのか...?」
リクさんはそう言いながら、どうしたら良いのか考える。
私はか細い声で答える。
「ここにいれば...大丈夫...。私たちは...救難...信号が...あれば...絶対...助ける...」
私の声を聞いてリクさんは優しい顔になった。
「流石ヒーローですね」
ヒーローは貴方じゃないですか。
そう伝えたかったけど、私の声はもう出なかった。
そんな話をしていると私達の下に近づいてくる足音が聞こえた。
「ナナ!」
大きな声で私の名を呼んだのはルミちゃんだった。
「頼む!」
リクさんはそう言いながら私の傍を離れる。
そしてルミちゃんが私に駆け寄り、すぐに治療を始めた。
「もう大丈夫だからね」
痛みが引いていく。
私はゆっくり息を吐く。
「...ありがとう、ルミちゃん」
「本当に良かった...」
そう言いながらルミちゃんは私の身体から手を離す。
傷や痛みは無くなっていた。
ルミちゃんに笑顔を向ける。
私の笑顔を見たルミちゃんは安心した顔をした。
そして近くに居るレスキュー隊員の方を見る。
「治療はこれで大丈夫です。彼女を安全な場所までお願いします。それと...」
そう言いながらルミちゃんは、リクさんの方を見た。
「リクさんも一緒に山を降りてください!ナナの声聞いてすぐ飛び出していって...何考えてるんですか!」
...え?今、なんて...。
「はいはい、すみませんでしたー」
「何にも反省してないでしょ!リクさんまで怪我したらどうする気だったんですか!」
「まぁ、その時はその時で...」
「もう!今からはレスキュー隊員の指示に従ってくださいね!私は救命に戻ります!」
「ありがとな」
「...こちらこそナナを見つけてくれてありがとうございました」
ルミちゃんは怒りながらも、最後は優しい顔をしてお礼を告げた。
「ナナ、私はもう行くね。身体、安静にしてね」
「うん。本当にありがとう」
ルミちゃんともう一人のレスキュー隊員は山の奥へ移動していく。
「僕たちも行きましょう」
私達と一緒に山を降りるレスキュー隊員がそう告げる。
「はい」
「はーい」
私とリクさんがそう答える。
「僕が運ぶので、どうぞ」
そう言ってレスキュー隊員はしゃがんで私に乗るように促す。
「あ、ありがとうございます」
そう言ってレスキュー隊員の背中に乗ろうとした時だった。
私の手をリクさんが掴む。
「えっ...」
「あ、いや、その...俺が運びます...。俺体力あり余ってるし...」
「えっ!?あの、それは...」
リクさんのまさかの提案。私があたふたしているのを見て、レスキュー隊員はクスッと笑った。
「ここは本業に任せてください。山を安全に降りた後はお願いしますから」
レスキュー隊員の言葉に、リクさんは恥ずかしそうにそっぽを向いた。
「...すみません、お願いします」
そして私はレスキュー隊員におんぶされ、山を降りていく。
レスキュー隊員の背中に乗りながら、私はリクさんの方を見る。
私の視線に気づいたリクさんはニコッと笑った。
私は恥ずかしくなり、顔を埋めた。
心臓が大きく脈打つ。
その鼓動は私が生きているコトと、リクさんを好きだというコトを強く感じさせた。