偽りの月妃は、皇帝陛下の寵愛を知りません。 ー月下の偽妃と秘密の蜜夜。ー
「俺の許しもなく、そなたは他の男に笑みを向けたのか」
「っ、それは……!」
抗議の言葉を飲み込む前に――
仮面の皇帝が、月鈴の腰を引き寄せた。
「……そなたは、俺だけを見ていればいい」
そのまま、唇が、月鈴の髪へと触れた。ふわりと、囁くような接吻。
耳元すれすれに、熱を孕んだ吐息が触れた。
「おまえは、俺の妃だ。……他の誰のものでもない」
囁きの中に、静かなる“支配”の意志があった。