偽りの月妃は、皇帝陛下の寵愛を知りません。 ー月下の偽妃と秘密の蜜夜。ー




(でも、私は……彼が好きだから。……だから、黙ってる)


 月鈴は、自分の中に芽生えていた“感情”に名前をつけた。

 紫遥の仮面越しの声も、素顔の笑みも、手の温もりも――

 もう全部、手放せなかった。




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