偽りの月妃は、皇帝陛下の寵愛を知りません。 ー月下の偽妃と秘密の蜜夜。ー


 その翌朝。
 宮中では、奇妙な噂が走っていた。


『皇帝陛下が静月宮に心を寄せている』
『十五妃は、夜ごと別の男とも会っているらしい』
『いや、むしろ皇帝に成りすました“誰か”が……』


 ――それは、紫嶺の差し向けた者が、意図的に流したものであった。

 真実は、少しずつ、暴かれようとしていた。




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