偽りの月妃は、皇帝陛下の寵愛を知りません。 ー月下の偽妃と秘密の蜜夜。ー



 夜。紫鏡は縁側で月鈴に語る。


「地方の改革が、この国を変える第一歩になるかもしれない――でも、それは簡単な道ではない」


 月鈴は彼の名を呼び、寄り添う。


「大丈夫。あなたが信じるなら、私たちは……」


 その言葉に、紫鏡はハッと息を飲んだ。


「……そうだな。玲珠と共に、貴方となら――俺たちなら」




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