偽りの月妃は、皇帝陛下の寵愛を知りません。 ー月下の偽妃と秘密の蜜夜。ー



  ***


 朝仁は捕らえられた。

 帝都からの使者が到着し、紫嶺の文を全土に伝えることが決まる。

 紫鏡は政を始めるにあたって、玉座に座らず、民の間に立つことを選んだ。


「俺は帝ではない。だが、国を愛する一人として、歩み続ける」


 月鈴はその隣に立ち、玲珠を抱いていた。


「ならば私も、妃ではなく“妻”として、あなたと共に」


 花が風に舞い、朝の光が館を包む。



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