偽りの月妃は、皇帝陛下の寵愛を知りません。 ー月下の偽妃と秘密の蜜夜。ー
十五歳の誕生日。
玲珠は民の前で宣誓した。
「私は、民と共に歩みます。
未来の旗を掲げ、この国を愛し続けます」
拍手が湧き、空に虹が架かる。
月鈴と紫鏡は、玲珠の成長を見守りながら、二人の愛を新たに誓う。
「あなたと共に築いたこの日々が、私の宝物」
「これからもずっと、共に歩もう」
二人の唇が重なり、やわらかな春風が吹き抜けた。