研究所員 秤あまねの密かな楽しみ【アルトレコード】
「秤さんまで参戦か……」
 とオレンジアルトくん。

「でもバランスはとれている」
 と、ブルーアルトくん。

「一本とられたね!」
 とイエローアルトくん。

「……いいんじゃね」
 とレッドアルトくん。

 彼らなりに納得したらしく、私はくすっと笑う。
「でもこうしてレッドだのブルーだのって言ってると、子供のころ見た戦隊ものみたいね」

「あー、僕も見た!」
「ふむ、懐かしいな」
「俺も見たよ」
「……全員、見てんじゃねーか」
 私はふふっと笑う。

「レッドはたいていリーダーだから、君がリーダーだね」
「俺が!?」
 レッドアルトくんが驚いて、拳を口元に当てる。

「だとすると、ひとり足りなくない? って、先生がピンクでいいのか」
 イエローアルトくんが嬉しげに言う。うーん、やっぱり私は入らないのか。残念。
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