欲望のシーツに沈む夜~50のベッドの記憶~
唇が重なるたび、呼吸が奪われる。

深く、何度も、貪るようなキス。

そのたびに身体の奥で、何かが熱く溶けていく。

「凛子……」

名前を呼ぶ声が低くかすれて、私の胸にまで響く。

交わるたび、課長の動きは次第に激しさを増していった。

何度も奥まで引き寄せられ、息も絶え絶えになりながら、私は彼にしがみついた。

「もっと……ください。」

自分でも知らない声が漏れる。

恥ずかしさも忘れて、ただ彼を求めた。

「……俺、本気なんだ。」

耳元で囁かれた言葉に、胸がぎゅっと締め付けられる。

「ずっと、凛子が欲しかった。部下とか関係なく――」

その告白に、私は涙が出そうになって、もう一度彼に深く口づけた。

熱が、愛が、すべてを貫いていくようだった。
< 17 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop