欲望のシーツに沈む夜~50のベッドの記憶~
食事が運ばれてくるのを待ちながら、私は意を決して言葉を口にした。

「ねえ、蓮……私と、ちゃんと付き合ってくれる?」

緊張で、胸がドクドクと高鳴る。

だけど蓮は、驚くでもなく、笑みを浮かべて答えた。

「もう付き合ってるよ?」

「えっ……?」

思わず拍子抜けしてしまう。

「美桜を抱いたときから、もう美桜は俺の彼女です。」

その言葉に、嬉しさが胸いっぱいにこみ上げてくる。

こっちから言おうと決めてたのに。いつだって蓮は、私の先を行く。

「いいね、もうただの幼馴染じゃないよ。俺たち。」

そう言って笑う彼の顔に、私も自然と笑顔になる。

「……宜しくお願いします。」

そう頭を下げた私に、蓮はすぐに頷いた。

「はい、任せて。」

その返事が、こんなにも頼もしくて、温かいだなんて思わなかった。
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