欲望のシーツに沈む夜~50のベッドの記憶~
ほろ酔いで、体も心もふわふわしていた。

「一緒に入ります?」

突然の誘いに、グラスを持つ手が止まる。

「ん?」

「二人きりで入りましょう。」

いたずらっぽく笑う冬馬さんに導かれ、私はそのまま露天風呂へ。

湯気に包まれながら、湯に足を入れると、思わずため息が漏れた。

「気持ちいいですね……」

隣に座る冬馬さんは、思った以上に引き締まった体をしていた。肩幅もあって、どこか頼もしい。

私は湯に肩まで沈んでいたけれど、のぼせてきたのか、ふいに湯船の縁に腰をかけた。

「ふぅ……」

濡れたタオルを体に巻いてはいたけれど、透けて肌が浮かび上がる。

そんな自分の姿に気づいた時、冬馬さんが言った。

「綺麗だな。」

その言葉に思わず頬が熱くなる。

彼がゆっくりと立ち上がる音がして、私は思わず視線を落とした。

心臓が、どくん、と跳ねた。

冬馬さんが、今、確かに男として近づいてくる。

< 50 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop