欲望のシーツに沈む夜~50のベッドの記憶~
私のタオルが、するりと落ちた。

その瞬間、冬馬さんの目が真剣な色に変わる。

肌に彼の吐息がかかり、鼓動が跳ねた。

「紗月さん……俺、止まれないかもしれません。」

そっと触れた指先は、まるで大切な宝物に触れるように優しい。

唇が鎖骨を辿り、私は小さく息を漏らした。

「……うん、いいよ。」

そう言った途端、冬馬さんは私を抱きしめ、体を重ねてくる。

ぴたりと合わさった体が熱を帯びて、一気に距離が消えた。

「本当に綺麗です……紗月さん。」

まっすぐな声が胸を打つ。

ゆっくり、でも確かに。彼の体温が私の奥に流れ込んでくる。

思わず爪を立てそうになった肩に、愛しさが募っていく。

「俺、本気だから。」

切ない熱情が伝わってくる。

「もう、我慢できない。」

激しく体をぶつけると、冬馬さんの熱が私の中に届いた。

「ああ……」

私達は、激しく唇を重ね合わせた。
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