欲望のシーツに沈む夜~50のベッドの記憶~

夜が明けても、終わらない恋

目が覚めると、柔らかな陽射しの中で、冬馬さんが私の隣で寝息を立てていた。

一組の布団に、まるで恋人のように体を寄せ合って眠っていたことに、少しだけ頬が熱くなる。

「……おはよう。」

冬馬さんが目を開けて、眠たそうに微笑む。

「私たち、昨日……」

言いかけた言葉を、彼がそっと遮るように抱きしめてきた。

「うん。……でも、これっきりにしないから。」

ぬくもりごと包まれる感覚に、思わず目を閉じた。

「紗月、東京に戻っても会おう。ちゃんと、また会おう。」

その言葉に、心がじんわりと満たされていく。

旅先の出会い――だけでは終わらせたくない。

「……うん。」

私たちは、再会を約束するキスを、朝の光の中で交わした。
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