私の中にあるモノ
どうして私達は、こんな目に遭わなければならないのだろう。

私達の苦しみの意味、私達の生の意味は何なんだろう。

近江さんが、死ぬ前に言っていた。

何の為に生まれてきたの、と。

私達の命の意味は何なんだ、と。

…私はその質問の答えを、ずっと考え続けていた。

だけど、愚かで無力な私には、分からなかった。

どれだけ考えても、理解しようとしても、どうしても納得出来ない。

どんな答えを得たとしても、私にはピンと来ないのだ。









「…あなたなら分かるの?」

「…」

私は、自分の胸の中にいる「モノ」に尋ねた。

ぼんやりと、白いモヤに覆われていた、その姿に向かって。

「私達は何なの…。あなたは、私達を否定するの。それとも肯定するの?」

「…」

「…答えてよ」

「…」

どうして、何も答えてくれないの。

「答えてよ…。ねぇ…!」

竜族は、人間に滅ぼされた。

だからきっと、竜族は人間を憎んでいる。

憎んでいるからこそ…。私達竜人のことも、否定するのだ。

だけど、私達だって…好きで、この世に生まれてきた訳じゃない。

人間でもない…竜にも、存在を認められない。

だったら私達は、一体何?

一体この世の誰が、私達の存在を、私達が生きて、死んだことを…覚えていてくれるの?
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