聖女の愛した花園
天はお姉さまに何物も与え、弓道の腕前は全国大会に出場する程。弓道部の部長であり、ダブルエースとして活躍する姫宮さまはお姉さまの相棒とも囁かれている。日本人形のような長い黒髪を持つ大和撫子で、クールかつ冷静沈着な人柄が生徒の中でも人気がある。
ちなみに寮長二名、副寮長二名、寮長の妹二名はリリスの幹部と言われ、学院の運営に携わる謂わば生徒会のような立ち位置となる。
特に圧倒的なカリスマ性に溢れたさゆりお姉さまの周囲には常に人が集まっている。それもすべて、お姉さまのお人柄が素晴らしいから。お姉さまが尊い存在だからに他ならないのだけれど、時折寂しくなってしまう。
私だけが、お姉さまの特別になれたらいいのに――なんて、そんな大それた望みを抱いていけない。
「さあ、行きましょう透」
「はい、お姉さま」
今日もお姉さまと過ごせる一日に感謝しなければならない。お姉さまが卒業されたら離れ離れになってしまうからこそ、一日一日を大切にしなければ。
そしてお姉さまの期待に応える、完璧な寮長を目指すのだ。