聖女の愛した花園
* * *
「私はさゆりさまをお救いしたかったの! はなしてっ、ころしてやる……っ!」
大声で泣き叫び、暴れようとする佳乃子さまに「ごめんなさい」と謝ってから背後に周り、首の後ろに手刀を食らわせた。佳乃子さまはがくりと膝から崩れ落ち、気を失ったところを支える。
昔祖父に叩き込まれた護身術がこんなところで活きるのは何とも不本意だった。
「筒見さん、警察に通報してくれる?」
「あっ、ええ……」
筒見さんはハッと我に返り、慌てて警察に通報した。それを見ながら父から最低でも一発は食らうだろうなと覚悟した。
パァン! 突然部屋に乾いた音が響き、驚いて振り向く。笠吹さまが姫宮さまの頬を叩いていた。
「……っ」
「お姉さま……」
電話を終えた筒見さんが呟く。姫宮さまは視線を落としたまま何も言わない。
「何か言ったらどうなの?」
笠吹さまは目を真っ赤にさせている。
「何か言いなさいよ! 渚!」
「……ごめん」
「それは何のごめんなの? 自分が父親だったこと? 男だと黙っていたこと?」
「……」
「なんで……っ!」