聖女の愛した花園


「ありがとう。紅茶は有難くいただくわ。そうでしょう、流奈?」
「はい、すみませんでした」

 気高くプライドの塊の笠吹さまだが、間違ったことを正して導く姿は正にリリスの寮長の鑑そのものだ。姉である笠吹さまには弱いのか、筒見さんはしおらしくなって紅茶を飲んでいた。

 確かに無礼だが彼女の言うことは一理ある。毒ではないにせよ、睡眠薬を飲まされたという可能性は?

 さゆりお姉さまを眠らせて無抵抗にさせた上で殺害――大いにあり得るのではないだろうか。
 とはいえこの紅茶に毒も睡眠薬も入っておらず、美味しいダージリンティーだった。

「そういえば佳乃子さん、リボンはどうしたの?」

 言われて佳乃子さまの胸元を見ると、確かにセーラー服のリボンがなかった。リリスの制服は白いセーラーのワンピースで、胸元には細めの白いリボンを結ぶ。全身純白のセーラーワンピースは清楚なリリス生の証である。


< 44 / 176 >

この作品をシェア

pagetop