氷の皇帝と、愛に凍えていた姫君 ~政略結婚なのに、なぜか毎晩溺愛されています~
その言葉に、ルシウスの目が細くなる。

「ならば、未来を穢す者には裁きを。」

「陛下……!」

「お待ちください。」

その声に、ルシウスが振り返る。

私はふらつきながらも玉座の間に現れた。

「私は……エリザベート様と話がしたいのです。」

ルシウスが何かを言おうとしたが、私の真剣な眼差しに、静かに頷いた。

「……十分だけだ。」

二人きりになった広間で、私は正面からエリザベートを見つめた。

「なぜ、私を殺そうとしたのですか。」

「……あなたは邪魔だった。」

「私が陛下に選ばれたことが?」

「そうじゃないわ。あの方が私を見ないことに……耐えられなかったのよ。」

その声には、確かに涙が混じっていた。

「なら、どうして愛してもらえるよう努力しなかったのですか?」

「……努力しても、あなたには敵わなかった。最初から勝負にならなかった。」

私は目を伏せた。
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