愛しのマイガール
ラグジュアリーなソファセットの奥、窓際にスーツ姿の男性がひとり、静かに立っていた
「……ハル、ちゃん?」
気づけば、口からこぼれていた。
その声に、彼がゆっくりと笑った。
その笑顔を見た瞬間、私の鼓動が跳ねる。
「久しぶりだな、るり」
低く、よく通る声だった。
昔よりもずっと大人びていて、どこか余裕を感じさせるその声音に、懐かしさと緊張がいっぺんに胸の中に広がっていく。
彼は見違えるほど洗練されていて、美しく、そして精悍な顔つきになっていた。
それでも——その目だけは、昔と変わっていなかった。
まっすぐで、やわらかくて、どこまでも優しい、“ハルちゃん”のまなざし。
「……ほんとに、ハルちゃんなの?」
私はつぶやきながら、過去の記憶と今目の前にいる彼とを、心の中でゆっくり重ね合わせていた。
数年の時を越えて——
私は、かつての幼馴染、月城巴琉と再会を果たしたのだった。