愛しのマイガール

ハルちゃんの目がまっすぐで、まるで嘘が一つも混じっていないようだった。
ビジネスじゃない。効率のためでもない。ただ、私を“守る”ために。

そのためだけに彼は本気でこの場所を整えたのだと、伝わってしまう。

「……やりすぎ、じゃないかな? こんなのまるで、本当の……」

ふいに言葉に詰まった。
言ってはいけない気がして。

「本当の?」

ハルちゃんが目を細める。その瞳はどこか鋭くて、私の心の奥に触れてくる。

「嘘も本当もない。俺が大事にしようとしてるのは、るりだけだ」

そっと耳元に落ちてきた囁き。
振り返った瞬間、すぐそこに彼の顔があって、息が止まりそうになった。

「俺が触れていいのは、君だけなんだから」

甘くて、優しくて……でも、どうしようもなく独占的な声。胸の奥が、ぎゅっと強く揺れた。

(これが“仮”なら、本物はもっと…)


黙り込んでしまった私に、ハルちゃんは何も言わなかった。私の手をそっと取り、指先にふわりと唇を落とした。

「っ、ハルちゃ…」

名前を呼ぶと、彼はどこかいたずらっぽく目を細めた。

「こういうことする男に、“仮”って言葉、似合うと思う?」

静かで低い声。なのに、心の奥まで染み込んでくるようだった。

< 29 / 200 >

この作品をシェア

pagetop