愛しのマイガール
首に添えられたネックレスは、シンプルなプラチナチェーンに小さな雫型のダイヤがひと粒だけ揺れていた。
派手さはないのに、ふとした瞬間に光を集めてキラキラと輝く。
「……すごく、綺麗……」
「似合うよ。るりの雰囲気にぴったりだと思って選んだ」
「これ…こんな、高かったんじゃ……」
「値段なんか関係ない。るりに似合うかどうか、大事なのはそれだけだ」
軽く言いながらも、ハルちゃんの声には確かな想いがこもっていた。
胸の奥で、トクンと音が鳴る。
特別に見せるためのドレス。
思いのこもったネックレス。
何も返せない私に、ハルちゃんはこうして言葉だけでなく目に見えるものでも証明してくれようとしている。
(こんなに……ハルちゃんに大切にされてもいいの?)
小さく息を吸い込んで、私は指先でネックレスのトップをそっとなぞった。
その感触は確かに、私の胸元で静かに輝いていた。
「じゃあ、そろそろ行こうか」
柔らかな声とともに、ハルちゃんが手を差し出す。
私は少し迷ってから、その手を取った。
鏡に映るふたりの装いは、まるで対になるように調和していた。
それは単なるファッションの演出じゃなくて、ちゃんと“私たちは婚約者です”というメッセージが込められていた。