愛しのマイガール
ネックレスの小さなトップが、私の胸元でそっと光を揺らしていた。
心の奥に沈んでいた緊張が、ほんの少しだけ、解けていく気がする。
「行こうか」
ハルちゃんの声に、私は小さく頷いた。
部屋を出ると、廊下にはすでに専属のスタッフが待機していて私たちに丁寧な一礼を送ってくる。
エレベーターに乗り込むとき、ハルちゃんがさりげなく私の背中を支えてくれた。
ほんの少しの触れ合いなのに、それだけでまた違う意味でも緊張してしまった。
ホテルのロビーを抜けて、裏手にある専用車寄せへと向かうと、黒塗りの車が静かに待っていた。
明らかにそれは“月城家の車”で、車体ひとつ取ってもまるで空気を張り詰めさせるような威圧感を纏っていた。
運転席には見覚えのある運転手さんの姿。
ドアが開けられ、ハルちゃんが先に私を促す。
「るり、どうぞ」
その一言に、私はそっと息を吸って、スカートの裾を整えながら後部座席に乗り込んだ。
隣にハルちゃんが腰を下ろすと、車内はほどよく沈黙に包まれた。