愛しのマイガール
昼休憩、スタッフルームに戻ろうとすると、同僚たちがこっそりささやき合っているのが耳に入った。
「VIP対応、また蓬来さんだったね」
「やっぱ安心感が違うもん。だって見た?椎名様の満足そうな顔。あの雰囲気、私じゃ絶対引き出せないよ」
思わず胸の奥がふわりと温かくなった。知らないところで努力を認めてもらえるのは、やっぱり嬉しい。
ニヤケそうになる口元をきりりと引き締め、スタッフルームのドアを静かに開けた。
「お疲れ様です。この後、昼休憩いただきますね」
そう言って中に入ると、何気ない私のひと言にも、スタッフの目が自然とこちらに向くのがわかった。それに少しだけ、誇らしい気持ちになる。
その日の診療が終わると、私はいつもより少し早めにクリニックを後にした。
向かった先は都内のとあるフォトスタジオ。
月に何度かお願いされている、読者モデルの撮影がある日だった。
私のようなタイプでも、ありがたいことに声をかけてもらえる。透明感のあるルックスだとか、清楚な雰囲気だとかが需要があるらしい。
「お疲れ様です、瑠璃ちゃん! 今日の撮影、春コスメの特集でお願いしたいんだけど……」
「分かりました。大丈夫です!」