愛しのマイガール

年齢を重ねるごとに、求められる役割も変わっていく。
今の私に求められているのは、ただの「若さ」ではなく、もう少し落ち着いた“リアルさ”なのだと、どこかでわかっていた。

「……でも、こういうのもいつまでできるのかなって思ったりするよ。副業でモデルって…ずっと続けられるわけじゃないし」

ぽつりとこぼした私の言葉に、翔真さんは軽い口調で返してきた。

「え? まだ全然いけると思うけどな。瑠璃はどこにいても目立つし、キレイだし」

「……そう、かな」

嬉しい言葉なのに、どこか虚しく聞こえた。

甘い言葉には慣れている。
仕事柄見た目で判断されることにも、もう傷つかなくなった。

だけど――本当はもっと違う何かを、私は求めてる。

容姿じゃなくて、年齢でもなくて。
肩書きでもない、“私”という人間をちゃんと見てくれる誰か。

そんな安心が、どこかにあってほしいと、ずっと思ってる。

だからなのかもしれない。
翔真さんの言葉の端々に漂う“表面”だけの温度に…私は少しだけ、違和感を覚えていた。

彼の優しさは、本物。
それなのになぜか、そこには距離があるように感じてしまうのは……どうしてなんだろう。



< 8 / 200 >

この作品をシェア

pagetop