愛しのマイガール
❁。✩
(ハルちゃん……どうして、部屋で待ってろ、だなんて……)
薄く光が差し込むカーテン越しの部屋は、まだ少し冷えていた。
目覚めてすぐの体は重たくて、心もどこか置き場所がないまま。けれどなんとか気持ちを切り替えて部屋を出たのに、使用人の人から「部屋にいるように」というハルちゃんからの伝言を告げられた。
私はどうしようもなく、部屋にいるしかなかった。
そんなとき、控えめなノックの音が部屋に響いた。
「……るり。入っていいか?」
その声だけで、少しだけ息が楽になる。
扉を開けて現れたハルちゃんは、黒のニットにグレーのジャケットを羽織ったいつもの落ち着いた姿だった。
「ハルちゃん…!」
「おはよう。体調は大丈夫か?」
「大丈夫だよ。……あの、弁護士さんは…?」
ハルちゃんは部屋の中には入ってこず、私の質問にも答えず、扉の前でただ優しく微笑んだ。
「朝食を用意してある。一緒に食べよう。あと、少し話したいこともある」
「……」
言葉が出なかった。
話したいことがある——その一言だけで、胸の奥がざわついた。穏やかな声にさえどこか違和感を感じてしまうのは、私の心が弱っているからかもしれない。
「……うん、すぐ行くね」
そう答え、ハルちゃんと一緒に部屋を出た。
あとに残ったのは、いつもより少し冷たい空気と、胸に沈む重たい予感だけだった。
(ハルちゃん……どうして、部屋で待ってろ、だなんて……)
薄く光が差し込むカーテン越しの部屋は、まだ少し冷えていた。
目覚めてすぐの体は重たくて、心もどこか置き場所がないまま。けれどなんとか気持ちを切り替えて部屋を出たのに、使用人の人から「部屋にいるように」というハルちゃんからの伝言を告げられた。
私はどうしようもなく、部屋にいるしかなかった。
そんなとき、控えめなノックの音が部屋に響いた。
「……るり。入っていいか?」
その声だけで、少しだけ息が楽になる。
扉を開けて現れたハルちゃんは、黒のニットにグレーのジャケットを羽織ったいつもの落ち着いた姿だった。
「ハルちゃん…!」
「おはよう。体調は大丈夫か?」
「大丈夫だよ。……あの、弁護士さんは…?」
ハルちゃんは部屋の中には入ってこず、私の質問にも答えず、扉の前でただ優しく微笑んだ。
「朝食を用意してある。一緒に食べよう。あと、少し話したいこともある」
「……」
言葉が出なかった。
話したいことがある——その一言だけで、胸の奥がざわついた。穏やかな声にさえどこか違和感を感じてしまうのは、私の心が弱っているからかもしれない。
「……うん、すぐ行くね」
そう答え、ハルちゃんと一緒に部屋を出た。
あとに残ったのは、いつもより少し冷たい空気と、胸に沈む重たい予感だけだった。