宵の月、秘めたる契り―帝に愛された二人の女御―
そしてその日、ついに――綾子が正式に入内を果たした。

晴れやかな日差しの中、整えられた衣を身にまとった綾子は、後宮の門をくぐる。

そこは、恋の果てに辿り着いた、帝の隣に立つ場所だった。

儀式を終え、帝の御前に進み出た綾子は、御簾の前で膝をつき、深く頭を垂れる。

「誠心誠意をもって、帝の女御を務めさせていただきます。」

その声は揺るがず、凛とした美しさを湛えていた。

帝・彰親は、その言葉に確かに心が震えた。

何よりこの女が、自らの意思で――迷いなく、この道を選んでくれたことが、何よりも嬉しかった。

「……よく、入内を決めてくれた。」

帝は静かに歩み寄り、綾子の手を取る。

綾子は驚きながらも、柔らかな微笑みを浮かべた。

「……ありがとうございます。」

その目には、かすかに涙の光が宿っていた。

喜びでも不安でもない、ただ――真心からこぼれた一滴。
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