宵の月、秘めたる契り―帝に愛された二人の女御―
「右大臣が、あまり仲がいいと子供ができぬと申していた。」

帝・彰親がそう呟くと、綾子はその腕の中で、くすりと笑った。

「うふふ……」

笑みを浮かべながら、柔らかく帝に頬を寄せる。

「こんなにも、子種を注がれているのに。お子ができるのは……時間の問題かと。」

その艶めいた言葉に、帝は思わず微笑みを返し、綾子の腹部にそっと手を添えた。

「……そうだな。」

この女との間に、子が欲しい――

ただ抱くだけでは満たされない、血のつながりまでも求めるようになった自分に、帝はもう抗う気もなかった。

綾子は、その視線を感じ取り、そっと肌を晒す。

うなじから肩、そして胸元へと――帝の愛を待つように、静かに身を委ねる。

「……また、愛でるぞ。」

「はい……どうぞ。」
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