宵の月、秘めたる契り―帝に愛された二人の女御―
「それでいいのだ。」

そして、静かに言葉を続ける。

「明日も、そなたを召す。……それに、そなたは朕の妃だ。これからもずっと、夜を共にする。」

その言葉に、詠子の瞳が潤みながらも細く笑んだ。

「……ありがとうございます。」

帝は何も言わず、再び彼女を抱きしめる。

小さくとも確かな愛情が、今夜、ふたりの間に芽吹いた。
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