宵の月、秘めたる契り―帝に愛された二人の女御―
翌朝、帝は文を広げながらも筆が進まなかった。

頭に浮かぶのは、昨夜の詠子の姿――指先に反応して、無垢に喘ぎ、涙を流して悦びを知ったあの可憐な妃。

「……今宵は、ついに我がものになるのか。」

そう思うだけで、自然と頬が緩む。

そこへ、右大臣の子息である高頼がやってきた。

「おや、帝。何やら楽しそうですね。」

「うむ、分かるか。」

帝は文を伏せると、親しい友に笑いかけた。

「新しい妃を迎えたのだ。」

「詠子様ですね。話は耳にしております。」

「まだ幼さが残るが……あれがまた、いじらしくてな。」

高頼はふっと微笑む。

「そんなに気に入りましたか。」

高頼が笑みを浮かべて言うと、帝は頷いた。

「ああ……指だけで、あそこまで達したのだ。あの反応は、正直、たまらなかった。」

「じらしておられるのですね。」

「三夜も通うというなら、急がぬ方が良いだろう?」
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